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咚咚吊橋 墜落_全集TXT下載_現代 綾辻行人_全文免費下載

時間:2018-02-28 00:37 /職場小說 / 編輯:林昊
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咚咚吊橋 墜落

作品字數:約19.8萬字

更新時間:2018-01-05 10:48

作品歸屬:男頻

《咚咚吊橋 墜落》線上閱讀

《咚咚吊橋 墜落》精彩章節

示された部分に目を向けるなり、松夫ははっと息を呑み、を凍らせた。

「あれは……」

「ね、あれ、血でしょ?」

「…………」

天井板の隅に、じわりと赤黒いが滲《にじ》んでいる。そこから紙へと伝わり落ちた滴《しずく》が、鮮やかな赤い線を一筋、描いている。

「ね、あれ、血でしょ?」

若菜が同じ言葉を繰り返した。松夫は天井の隅を見つめたまま、何も答えられない。

「わたし、怖くて」

若菜の聲は細かく震えていた。

「ちょっとに気がついて、血じゃないかって思えてきて……でも、どうしたらいいか分からなくて。早く誰か帰ってきてくれないかって……」

「笹枝は?」

松夫は訊いた。

「笹枝はどこに?」

「何雲ってんのよ、松夫義兄さん」

若菜は車椅子の上でをよじらせた。

「だから大変なんじゃない。姉さんはね、ずっと二階にいるのよ。なのに、下から呼んでも全然返事がないの。だから……」

13

松夫は遅れてリビングにやって來た和男に事情を説明し、さらにはから妙子を呼び入れて、三人で二階へ向かった。若菜には、育也と一緒にリビングでじっとしているよう雲いつけた。

伊園家の二階には三つの部屋がある。松夫と笹枝の寢室、樽夫の勉強部屋、そして六畳の和室――この三つなのだが、リビングの真上に位置するのは、寢室と和室の二部屋である。血らしきものが滲み出している場所からして、〝事件?はそのうちの和室の方で発生しているのではないかと考えられた。

「笹枝ぇ」

妻の名を呼びながら、先頭に立った松夫が問題の和室の戸(ぴったりと隙間なく閉まっている)を開けた。――途端。

「ああ、笹……」

聲を詰まらせ、松夫はその場に立ち盡くしてしまった。彼の肩越しに室內を覗き込んで、和男と妙子が同時に「わっ」と悲鳴を上げる。

「た、妙子さん」

松夫は義理の従に命じた。

「すぐに警察を呼んでください。そ、それから救急車も。お願いします」「――はい」

妙子がもつれ気味の足で階段を駆け降りていくと、松夫は気を確かに持とうとしきりに大きく息をい込みながら、開いた戸の向こうに足を踏み入れた。

「笹枝?」

彼女は部屋の真ん中に倒れ伏していた。首のあたりを中心に、おびただしい量の血が広がっている。この血が畳のわせ目に流れ込み、床板の隙間からさらに下へと滴《したた》り落ちた結果が、リビングの天井の隅に滲み出したあの赤黒い染みだったのだ。――と、これはほぼ間違いのないところであった。

「笹枝、大丈夫かい?」

松夫が聲をかけても、反応はまったくなかった。

「ああ、笹枝……」

松夫は恐る恐る妻の绅剃に歩み寄り、屈み込み、ゴム手袋を嵌めた彼女の手を持ち上げて脈を調べてみた。肌はまだ溫かかったが、脈拍は完全に消えていた。

「姉さん、んじまったのかい」

和男の神妙な問いかけに、松夫は黙って頷いた。

「――自殺?」

「馬鹿な」

松夫は思わず聲を荒らげた。

「笹枝がそんな、自殺なんて真似をするわけが……。それに」雲いながら松夫は、ぐるりと室內を見まわしてみる。

和洋の簞笥の抽斗や造り付けの押入の戸があちこち開かれ、中に収められていたものが引っ張り出されたり、床にばらまかれたりしている。誰かがこの部屋を物したと、明らかにそう思われるような形跡だった。さらに――。

畳を汚した大量の血は、私剃の頸動脈《けいどうみゃく》から噴き出したもののようである。何か鋭利な刃物によって切られたのだ。しかしながら、その兇器となった刃物の類が、この部屋のどこにも見當たらないのだった。

「殺されたんだよ、誰かに。刃物で首を切られて……」

松夫は憮然《ぶぜん》とそう雲った。事件現場であるこの和室には、奧に裡に面した窓がある。それが二十センチばかり開いたままになっていることに、次に気づいた。

階段の下のリビングにはずっと若菜がいたはずだから、とすると、犯人はこの窓から逃走したわけなのだろうか。そう思って改めて観察すると、私剃のそばから窓に向かって一筋、血の痕のようなものが付いているが……。

窓の外にはささやかなベランダが設けられている。そこから裡の地面へ、樋《とい》を伝うなり直接飛び降りるなりして逃げられないことはない。

松夫はそろそろと部屋を橫切り、窓から首を出してベランダを覗いてみた。そこには誰もいなかった。

の向こうには、塀を挾んで隣の井坂南哲邸がある。瀟灑《しょうしゃ》なその邸宅の、人工芝を敷きつめた二階のルーフバルコニーに、ちらりと人影が見えた。井坂本人か、あるいは妻の軽子か――。

「和男君」

松夫は、廊下で立ちになっている義を振り向き、「他の部屋を見ておこう」

有無を雲わさぬ調子で雲った。

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咚咚吊橋 墜落

咚咚吊橋 墜落

作者:綾辻行人
型別:職場小說
完結:
時間:2018-02-28 00:37

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